2008年07月27日

手染メ屋さんの山形紅花ツアー Part1

7月17日・18日は東京出張、そして7月19日・20日は東京から山形に移動し、京都の天然染め工房・手染メ屋さん主催の「山形紅花ツアー」に参加してきました。

山形では、室町時代から最上川流域で紅花の栽培がさかんになり、江戸時代には「最上紅花(もがみこうか)」が「阿波藍」(徳島)と並び称される特産物となりました。明治時代以降は合成染料が登場し、紅花の生産量は激減しほぼ壊滅しましたが、戦後の農家や研究者、自治体の尽力で、最上紅花の復興の努力が続けられています。江戸時代の最盛期には山形で年間120トンだった紅花の生産量は、現在は数百キロ程度と、とても希少なものとなっています。

今回訪れた山形県白鷹町(しらたかまち)は、山形でも早くから紅花の栽培が行われていた地域。現在はごくわずかの紅花農家さんたちの努力により、昔ながらの手法で高品質な紅花が生産されています。また、白鷹町は養蚕も盛んだった地域で、「白鷹紬」が地場産業として伝えられていて、こちらも見学させていただきました。

今回の紅花ツアーでは、かなり貴重な体験をさせていただき、とても勉強になりました。ということで、何回かに分けて、紅花染めや白鷹紬、養蚕のことなどをご紹介していきたいと思います!


山形・白鷹町
今回のツアーは山形駅に現地集合で、関東方面の方が多かったです。参加された皆さんは、やはりというか、かなりの確率で手染メ屋さんの手染めTシャツを着ていたので(自分もですが)、誰が参加者かだいたいわかりました。

山形駅から路線バスに乗り込み、40〜50分ほどで白鷹町に到着。手染メ屋店主・青木さんの引率で紅花農家さんのお宅へ。「夏休み」な風景が広がっています。


紅花農家の今野さん
白鷹町で紅花農家を営む今野正明さん。白鷹町の町議員もされているそうです。江戸時代の紅餅は、現在の貨幣価値で1kgあたり3.3万円。現在の山形産の紅餅も1kgあたり3.3万円とほぼ同じで、とても高価な天然染料。しかも前年から予約しないと手に入らないそうです。

ちなみに中国産の紅花は1kgあたり1,500円〜4,500円らしいですが、手染メ屋の青木さんによると、山形産の紅花は赤味の鮮やかさが違うそうです。


紅花畑
今野さんの紅花畑。ここで紅花摘みを体験させていただきました。写真中央の子どもTシャツは、今回のツアーの旗がわりに手染メ屋さんが紅花で染めたもの。紅花は素材によって発色が異なるらしく、オーガニックコットンに紅花1回染めだと、こんな感じのショッキングピンクになるそうです。


紅花
紅花の花。紅花はキク科の一年草または二年草。エジプトやインド、中近東あたりが原産地らしく、日本には3〜6世紀頃にシルクロードを経て伝わったそうです。野草のアザミに似ていて、葉にトゲがたくさんついています。


紅花摘み
鋭いトゲだらけの紅花を摘むには、厚手のゴム手袋が必需品。花が3分の1程度赤くなったもの(三片紅・さんりんべに)を摘み取っていきます。

17人で20〜30分ほど紅花摘みをさせていただきましたが、紅花800gほどしか摘めませんでした。昔はゴム手袋なんてものはなく、紅花摘みは重労働だったんだなぁと感じさせられました。


紅花を洗う
紅花には、黄色い色素(サフロールイエロー)と赤い色素(カルサミン)の2種類が含まれており、黄色い色素は水に溶けやすく、赤い色素は水に溶けないという性質をもっているそうです。

摘んだ紅花は、ざるに入れて水洗い(荒振り)し、手でよくもんで黄色い色素を取り除きます(中振り)。さらに花をこねて黄色い色素をさらにに出して水洗いします(揚振り)。1回もみ洗いすると黄色からオレンジっぽい雰囲気に変わっていました。


寝かせた紅花
さらに1日3回ほど水をかけて時々混ぜて、さらに黄色い色素を流します。3日ぐらいで朱肉のような深みのある赤になります。この工程は「花ねせ」というそうです。


紅餅づくり
花ねせした紅花は、臼と杵でついて餅状に(現在は餅つき機を使用したりもするそうです)。それを手にとって団子状にし、さらに押してせんべい状にします。素手ですると黄色い色素が手について、みかんを食べまくった後のような感じになります。


紅餅を天日干し
せんべい状にした紅花は天日干しにして乾燥させ、「紅餅」(花餅とも呼ばれます)が出来上がります。1枚だいたい3g程度になるそうです。


紅餅
天日干しされている紅餅。食べられそうな雰囲気ですが、紅餅は血行促進作用があるとされ、古来から生薬・漢方薬として用いられてきたそうです。


紅花染め!
紅花の赤い色素は水には溶けにくいですが、アルカリ性の水には溶け出すという性質をもっています。昔は灰汁(あく・灰を水に混ぜてできた上澄みの水)などを加えてアルカリ性にしていたそうです。

今回はシルクハンカチを紅花で染めさせていただきました。紅花の染液にハンカチを漬け、みんなでじゃばじゃばしました。


紅花染めのシルクスカーフ
紅花染めのシルクスカーフ。薄い色が今回の紅花染め体験で染めたもので、濃い色が4回ほど紅花で染め重ねたもの。さらに何回も染め重ねることで真紅になっていくそうです。


手染メ屋の青木さんと犬
手染メ屋の青木さんに遊んでもらっている、今野さんのところの犬。とても人なつっこくて、かわいい犬でした。最近、白い犬を見ると「お父さん」と呼んでしまいたくなります。


今回の見学では、大変な努力と手間をかけて、紅花づくりの伝統が受け継がれていると感じさせられました。本当に紅花農家さんの努力には頭が下がります。次回は、今回の山形紅花ツアーで見せていただいた白鷹紬と養蚕についてもご紹介したいと思っています。


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